何かシステムを作ろうとなったときによく感じるのが粒度問題です。
簡単に言うと要件を出す立場の人側は、森を見て木を見ず、開発する立場の人側は木を見て森を見ず、そんな違う立場の間で起きる認識のずれ、コミュニケーションギャップ問題です。前者は対象を大きな範囲で捉えており、1本1本の木々には関心が無かったりします。後者は、個々の木を構成した結果の集合としての森なので、木々の方に着目する傾向があります。たまに木が大好きな前者もいたりはしますが、実は木でも「松」にしか関心が無かったり、、と関心の対象が異なるので話が噛み合わないのは当然です。しかも、当事者はそのような状況になかなか気がつけません。さらに開発工程で担当者が違うような体制の場合、さらに別の面で同じような問題になったりします。
このような状態が続くと、当たり前ですが、最終的に良い結果にはならないので、早い段階で手を打ちたいですよね。でも、双方の意識を変えるという難しい問題なので、簡単な手はなかなか見つかりません。
結局、言葉だけで伝えられない事は、一旦紙、ドキュメントという形に落とす意外無いように思います。まずは森である大枠をいろんな角度で対象を分類し、徐々徐々にドリルダウンしていきます。このフェーズの落とし所として意識するのは、そのドキュメントを見る人たちが意識している粒度の粗さと細かさのちょうど真ん中辺りの粒度レベルまでに抑える事です。話が進むにつれてドキュメントに結果をフィードバックし、仕様書的な物に変えていきます。
人の意識を変えるのは難しいけど、少しずつ対話しながら双方が歩み寄るという、ここで言うところの粒度問題も、長年続く領土問題も平和に解決するには結局同じ方法しか無いないんだろうなあ。